あこがれの競泳水着

 

1.屋内プール

「ラスト2本、そーーれっ」

 きびきびとしたかけ声の末尾に、水着姿の乙女達が水に飛び込むしぶき音が重なる。舞も、屈めた体にぐっと力をこめ、飛び込み台を蹴った。水中で体を伸ばすと、大きく一掻きして浮き上がり、そのまま一気に抜き手を切る。

 トップで泳ぎきった彼女は、他の部員がゴールするまで少しの間、コースロープに寄りかかるようにして水中に立ち、呼吸を整えていた。全員がゴールすると、軽く潜ってステアへと向かう。

 水から上がると、疲れと重力が彼女を襲った。それを振りきるように、彼女は、最後の泳ぎこみをするためにプールサイドを歩いて行った。

 練習終了を知らせる笛が鳴り響く。顧問の教師が手を振ると、疲れの色が見える部員達は無言のまま整列した。教師の簡単な練習講評を、舞は列の端の方で聞いていた。体がずしりと重く、ゴーグルも、スイムキャップも、紺無地の薄い競泳水着さえも鬱陶しく感じられる。そんな中でも、彼女は、わずかに視線を動かして列の中に人影を探していた。

 講評はすぐに終り、整理体操、そして解散。緊張がほぐれ、皆談笑しながらシャワールームへと向かった。舞も同じくシャワー室へと足を向けた。

「水上さん」

 彼女の肩に手をかけて呼び止める人がいる。振りかえった彼女は、そこに探していた人影を見出した。

「せんぱい!」

 せんぱい、と呼ばれた相手は、色白な顔を少しくずして微笑んだ。

「水上さん、今日はいい記録出てたわ。練習の成果ね」

「ありがとうございます! せんぱいも、県大会出るんですよね、わたし頑張りますから」

 一瞬、彼女の笑みに困ったような色が浮かんだ。が、すぐさま元通りにこりとして言った。

「無理せずがんばってね。さ、体冷えるといけないから、シャワー浴びて早く着替えて」

 そう言って、舞の腰を軽く押し、シャワー室へと促した。

「はい」

 嬉しそうに答える舞の頬には、ほんのわずか、朱が差していた。

 

 シャワーでプールの塩素水を洗い落としながら、舞は、さりげなく先輩の方へ視線を走らせていた。

(由佳里せんぱい…)

 彼女を見ている幸福感と、盗み見という罪悪感から、彼女の心臓はとくとくと波打った。視線の先でシャワーを浴びている彼女の、高校生にしてはふっくらと発達したその体は、競泳水着を着ることでラインが強調され、一層豊満に映った。彼女は体を洗うふりをして、自分の胸をそっとなでた。競泳水着で押さえつけられた乳房――

「舞ーっ、先行くよーっ」

「ええっ、待ってよお」

 先にシャワーを浴び終えた友人が、声をかけながらシャワー室を出て行く。我に返った彼女は、急いで水の詮を閉め、後を追った。最後に、ちらりと室内の由佳里を見た。彼女は、上を向き、少し物思いにふける表情で、じっとシャワーを浴びていた。

 

2.舞の部屋

 ゆったりしたパジャマを着て、疲れた体をベッドに横たえ、身を休ませながら。

(せんぱい…なにか悩み事でもあるのかなあ)

 舞はごろん、と寝返りをうち、枕に顔をうずめた。ほんの少しのことだけど、せんぱいがおかしい。苦しんでるようには見えなかったけど、物静かな人だから、我慢してるのかもしれない。

 舞は顔をずらして、壁にかけてあるカレンダーを見つめた。県大会の日が、赤くペンディングしてあった。県大会、由佳里せんぱいと一緒に泳ぐんだ。

 舞は、もともと泳ぎは得意ではなかった。水泳部も、友人につられて入ったに過ぎない。当然、練習もさぼりがちだった。しかし、そんな彼女を由佳里が変えた。物静かな口調で、少しはにかみながら「水泳って、楽しいのよ」と誘ってくれたせんぱい。泳ぎが安定するように、姿勢や泳法にアドバイスをくれたせんぱい。

 シャワールームでの彼女の表情を、舞は思い返した。何か、思いつめたような表情だった。きりっと結ばれた口、心持ち細められた目、沈んでいるようで、それでもきれいで。浴びた水粒が、顎を伝い、喉から胸元へ。

「……んっ」

 わずかに、彼女の顔が上気した。

 彼女にとって、由佳里はあらゆる面で憧れの先輩だった。気立てや、部活に打ちこむ姿勢だけでなく、顔立ちやスタイルの面でも。色白で整った顔、水泳部員にしては珍しく、背の上辺りまで伸ばした黒髪。艶やかで、白い肌に映える。競泳水着を着れば、脚から腰への流れるようなライン。形よく盛り上がった胸の双丘。水着は濡れて、紺色にてらてらと光る。

「は…あん」

 うつ伏せに寝た姿勢のまま、彼女はパジャマの上から秘部をそっと押した。じんわりとした快感が、温かく体を包む。

(せんぱいと一緒になりたい…)

 顔を上げた彼女の視線の先、カレンダーの横にかかった、黒いスクール水着があった。彼女がまだ新入り中の新入りで、競泳水着さえ持っていなかった頃、由佳里と一緒に練習した水着だ。

 彼女はふらりと立ちあがると、ベッドを降り、スクール水着を手に取った。そしてパジャマを脱ぎ、水着に着替え始めた。ちょうど成長期の彼女にとって、その水着は早くもきついのものになり始めていた。肩ひもが食いこみ、乳房が潰れ、腿周りが締まる。

 水着姿で動くと、ざらりとした布が肌とこすれた。敏感になり始めていた彼女の体は、刺激されて益々敏感になっていく。彼女は、自分で自分の肩を抱き、ベッドにうつ伏せに倒れこんだ。

「せんぱい、好きなの…」

 小さな声で言ってみる。恥ずかしさで、耳の後ろが熱くなった。そのまま目を閉じて、そろそろと両手を伸ばし、水着の上からウエストをゆっくりと撫でさすった。

(今日、せんぱいが触った腰…)

 ウエストから、ヒップ、さらに秘部へと手を伸ばし、ゆっくりと撫でる。ぬくもりのある鈍い感触を得て、耳の後ろがますます上気した。

 舞はごろりと寝返りをうってあお向けになると、水着の上から胸を押さえた。乳首の辺りを指でくりくりといじると、そこは硬くなり始めていた。

 彼女はあお向けのまま脚をM字に開くと、左手は胸元に添えたまま、右手を伸ばして自分の秘部を軽く掻いた。そこにもはやくすぐったさはなく、代わりにつんと来る快感が舞の体を走り抜けた。彼女は少し眉を寄せると、局部を覆う布に両手をかけ、それをぐい、ぐいと引っ張った。水着を引き絞る度に、ざらついた布が股間を擦り、刺激された舞はぴくんと体を反応させた。

「んくっ」

 閉じていた唇の間からわずかに喘ぎを漏らした、その時。

「舞ーっ、電話よーっ」

 部屋のドアの向こうから、自分を呼ぶ母の声がした。彼女の心を犯しはじめていたとろけるような感覚が、たちどころに吹き飛んだ。驚きのあまり、舞はぎくりと体を硬直させ、一瞬動けなくなった。

「あっ、は、はぁーい」

 慌てて返事だけして、彼女はばたばたとスクール水着を脱いでパジャマに着替えた。そうして、急いで部屋から出る間際、彼女はベッドの上に脱ぎ捨てたスクール水着を見た。

(せんぱいと、一緒に泳いだスクール水着……私、今あれを着て……)

 それは身をよじるようにしてベッドに横たわり、誘っているようにも見える。

「まーいーっ、電話って言ってるでしょ!」

 少し怒ったような母の声が響き、舞は急いで電話へと駆けて行った。

 

3.舞と由佳里

「ねえ、舞。驚いちゃだめだよ…。日野先輩、もしかするとね、やめちゃうかもしれないんだって…」

 水泳部の友人からかかってきた電話は、衝撃的だった。電話口で黙りこくってしまった舞のただならぬ様子に、友達は、そういう噂があるだけでまだ決まった訳じゃない、と慌てて付け加えたが、もはや舞の耳には入っていなかった。

 それ以来、舞の頭から由佳里の事が離れない。次の日を、舞はぼんやりと過ごした。授業には身が入らず、放課後の部の練習でも、今一つ集中できなかった。

(せんぱいが、やめるかもしれないなんて…)

 頭には考えるとはなしにこの事が浮かび、それを雑念と追い払うことも、舞にはできなかった。

「水上さん、どうかしたの? 元気なさそうだけど」

 県大会種目の泳ぎこみを何本かこなしたところで、舞は突然声をかけられた。うつむいて心ここにあらずという状態だった舞は、びっくりして顔を上げた。

 気が付くと、目の前には由佳里が立っており、舞の顔を心配そうに覗きこんでいた。

「大丈夫? ……気分が悪いんだったら、少しプールサイドで休んでた方がいいわ」

 舞が答えられないでいるうちに、由佳里は手に持っていたバスタオルを舞の肩にかけると、その肩を抱くようにしてプールサイドのベンチへと連れて行った。そうして、何も言えずにいる舞をそっと座らせると、少し微笑みかけ、プールへと戻っていった。

(せんぱい…)

 不意に涙がこみあげてきて、舞は、肩にかけてもらったバスタオルでそっと目尻を抑えた。そのまま何もできずに座ったまま、舞は、見るとはなしに由佳里の姿を目で追っていた。

 由佳里は、一番端のレーンにいて、下級生にあれこれとアドバイスをしているところだった。それが終ると、プールから上がり、少しの間大会種目練習の様子を見ていた。そして泳ぎこみが1本終るごとに、気が付いた部員のところに行って、何事かアドバイスをしていた。突然、舞は、彼女が自分の練習をほとんどしていないことに気が付いた。

 しばらくして、舞の様子を見に由佳里が戻ってきた。

「…水上さん、大丈夫? 具合はどう?」

「はい、もう大丈夫です」

 舞はバスタオルを畳むと、ベンチから立ち上がった。

「あの、1つ聞いてもいいですか」

「いいわよ。なあに?」

「せんぱい、みんなにアドバイスするのにすごく時間かけてるの、初めて知りました…。練習する時間、あるんですか」

 舞の質問に、由佳里は少し驚いたようだった。やや目を丸めた後、にっこりと由佳里は笑った。

「心配してくれてるのね。ありがとう…。私の練習なら、大丈夫よ。部活終った後とか、部活がない木曜日にここのプール借りて、足りない分練習してるから」

 由佳里は明るく、そう答えた。しかしその後、呟くように言った言葉を、舞は聞き逃さなかった。

「練習しても、もう、記録伸びないんだけどね…」

 それは、独り言のつもりだったのだろう。すぐさま由佳里は、舞に気を付けて泳ぐよう言って、プールサイドへと戻って行った。

 舞も、再びプールへと戻って行った。泳ぎこみの列に並び直しながら、舞は、由佳里の呟きの意味をかみしめていた。由佳里が水泳を諦めかけている。噂は、やはり本当だったのだ。それを知って舞は、改めて、恐怖に近いショックを感じた。

 

 木曜日の放課後。普段なら、この日は部活がないので、友達と連れ立ってどこかへ遊びに行くなりするところだった。しかし今日の舞は、そうしなかった。

 放課後、少したって。校舎から屋内プール棟に通ずる渡り廊下に人影が見えた。――由佳里だった。この曜日、由佳里はプールを借りて遅れがちな練習を取り戻しているのだ。舞は、荷物を取り上げると、急いで駆け寄った。

「せんぱい!」

「あら…水上さん」

「あの、私も一緒に練習させてもらっていいですか」

 舞は由佳里の目をじっと見つめ、用意していた言葉を口にした。舞の思いがけない申し出に、由佳里は驚いたようだったが、すぐにいつものにこやかな彼女に戻った。

「ええ、いいわ」

 そのまま2人は、屋内プール棟へと入っていった。由佳里が職員室から借りてきた鍵で表扉を開けると、中に入った舞が電気のスイッチを次々と入れて行った。さらに2人は荷物を置いて、水質管理表に目を通し、消毒槽の様子を見て、シャワーの栓が開いていることを確かめてまわった。

「ここって、時々元栓閉められちゃってるのよね」

 確かめがてら由佳里が冗談めかして言うのを聞いて、舞は嬉しく、また悲しい気持ちになった。

(せんぱいと離れたくない…)

 想いが、彼女の胸を締め付ける。

 施設を見回り終えると、2人は荷物を取り、部室兼用の更衣室へと向かった。そこは壁際にロッカーが並び、床にはプラスチックのすのこが敷いてあるだけの、殺風景な部屋だった。無言のまま2人は、部員めいめいに割り当てられたロッカーへと向かい、着替え始めた。

 舞のロッカーは入口から右手側、由佳里のロッカーは左手側の壁にある。舞は、制服を脱ぎながらそっと振り向き、由佳里の方を見た。

 由佳里は舞に背中を向け、黙って着替えていた。最初にショーツを脱いで、制服を着たまま、スカートの下にスイムショーツと競泳水着を着る。それからスカートとブラウスを脱ぎ、彼女は自分の白い素肌を舞の目に晒した。下半身に紺の水着を着て、上半身に白いブラを付けただけの彼女の後ろ姿は、スタイルの良さも手伝って、芳しいまでのなまめかしさを帯びていた。

 由佳里はブラジャーを外すと、競泳水着に手をかけ、しわを伸ばすように布を上に引き上げていった。由佳里が着ているのは、競技用に近いベーシックな競泳水着だった。Vカットがやや深く、後面はウエストから背中にかけて大きく開いている。左右の脇腹の辺りから帯状の布が伸び、背中の中心で交わっている。そこから上に肩ひもが伸びていた。

 由佳里は胸を水着で覆うと、手を後ろに回すようにして肩ひもをかけた。それからうなじのところに両手を差し入れ、背の上辺りまで伸ばした髪を少し持ち上げるようにして肩ひものかかり具合を調べた。美しく締まった由佳里の肢体は、水着に包まれた。彼女の申し分ないプロポーションを強調するかのように、紺色の布は彼女の肌にぴっちりと貼りついた。

 水着姿になった由佳里は、長目の髪を手できゅっきゅっとまとめながら、舞の方を振り向いた。

「…あらっ、水上さん。その水着…」

 同じく着替えを終えた舞は、黒いスクール水着で身を包んでいた。彼女はロッカーの方を向き、由佳里に背を向けたまま答えた。

「部活用のは、今は洗ってますから、代わりにこれを…」

「そう。…それ、懐かしいわね」

 由佳里はそう言って微笑んだ。

「……せんぱい、覚えててくれたんですね」

 由佳里の言葉に、舞の胸は高鳴った。その高鳴る胸を抑えるかのように、胸に手を添えて言った。

「この水着で、私、先輩に水泳習いました。不真面目だった私の面倒見てもらって、泳げるようになって、私、とっても嬉しかった…」

 由佳里は黙っている。舞は、由佳里の方を振り向いた。

「これ、せんぱいとの思い出の水着なんです」

「水上さん…」

 じっと見つめる舞にやや気圧されたように、由佳里は動きを止めた。まとめかけた髪が解け、彼女の肩にぱさり、とかかった。

「私、聞いたんです。せんぱいが水泳やめるかもしれない、って話」

 舞の目には、いつしかかすかに涙が浮かんでいた。彼女は、由佳里の方に一歩踏み出した。

「せんぱい、嘘ですよね? せんぱいがやめちゃうなんて、私嫌です。私、せんぱいと一緒に水泳頑張りたい」

「……水上さん…」

 由佳里は少しうなだれると、舞から顔をそらした。彼女の苦しげな表情が、はっきりと答えを物語っていた。舞は目を見開き、茫然と由佳里を見つめた。

「……ま、まだ、はっきりそうと決めた訳じゃないんだけど… でも、私はもう泳いでも記録が伸びないの… 部にいる意味がないわ」

「そんなことないです!」

 涙声で、舞は由佳里の言葉を遮った。由佳里が部をやめる。そのことが、彼女の感情を激しく揺さぶった。どうしようもなく動揺し、由佳里を求める感情の渦が、心に噴き出してきた。

「あたし、あたし…」

 舞は、じっと立ちつくしている由佳里に歩み寄ると、その胸にそっとしがみついた。

「好きです、せんぱいのこと…」

 言葉に出した感情の渦は、堰を切ったように溢れだし、彼女を押し流していった。もはや、舞には由佳里を求める気持ちしかなかった。彼女は、由佳里にしがみついた手をそろそろと動かした。右手は腰にまわし、左手は、由佳里の胸へ――

「あっ」

 競泳水着の上から胸に触れられ、由佳里の体がぴくん、と反応した。

「せんぱい、どこにも行かないで下さい」

 切なげにそう言うと、舞は由佳里のウエストにまわした右手に力をこめて彼女を抱き寄せ、水着越しにぐっと自分の恥丘を押しつけた。そして左手で、水着の上から彼女の乳房を揉み始めた。競泳水着の柔らかくて滑らかな布地は、由佳里の肌にぴったりと合い、彼女の胸に舞の手の動きを伝えている。

「ちょっと、水上さん、あ…」

 一瞬感じたらしい由佳里の口から、わずかに喘ぎがもれる。舞は右手の力を緩めると、身を引きかけた由佳里を押してロッカーに押しつけた。左手の動きは片時も止めず、胸を揉み続ける。

「ねえ、せんぱい…」

 舞は自分の体を完全に由佳里に預けると、左の首筋を舌先でつっ、と舐め上げた。

「あはぅ」

 たまらず、由佳里は喘いだ。舞を押し戻そうと両肩を押す手の力が、かくんと弱まった。再び舞は、右手に力を入れ、由佳里のウエストを抱き寄せた。由佳里のデルタ部を擦り上げるように自分のそこを押し付け、さらに背中に指を這わせた。

「いや、だめ、水上さん…」

 由佳里は朱が差した顔を左右に振りながら、舞の両肩をぐいと押した。しかし十分に力がこもっていない由佳里の手を、舞は軽く受け流した。右手で由佳里の形のいいウエストからヒップまでを撫でさすり、股間に右足を割り込ませた。左手はじっくりと乳房を揉み続ける。

 由佳里の呼吸が徐々に深く、緩やかになり、胸の動きが大きくなった。なおも抗って舞の肩を押しながらも、腕からは力が抜けて行った。

「せんぱい、感じてるのね」

 舞はそう言うと、左手の動きを一旦止めた。由佳里の胸をじっと見つめながら、腰に回した右手も胸元に持ってくる。彼女は、おもむろに両手を双丘に当てると、その頂点にぷつりと突き出た突起を指先で転がした。

「くふぅ…」

 舞が指先で苛み続けると、突起はさらに固く尖り、由佳里は目を潤ませながら時折びくびくと体を反応させた。

「乳首が立ってるわ、せんぱい。水着の上からでも分かる」

「いやっ、そんなこと言わないで…」

 由佳里は顔を背けた。

「もうやめて、水上さん…」

「どうして? せんぱいも気持ちいんでしょ、ほら…」

 舞は体を少し離すと、右手を由佳里の股間に伸ばした。水着の上から、由佳里の秘部をすっと撫でる。

「あっ、そこは…」

 身をよじり、思わず片手で顔を隠す由佳里。その恥じらいの仕草に、舞の心は甘く燃えた。少し腰をかがめると、由佳里の胸に顔をうずめる。滑らかな布地と、その下にあるふくよかで柔らかい胸の感触を、頬で感じた。右手は、軽く爪を立てるようにして、クリットから恥丘までを撫で上げた。

「だめ、いや……」

 由佳里の声はかぼそく、顔は上気し、汗ばんでいた。それでも由佳里は、舞を押し戻そうと肩を押し続けた。舞は左手で由佳里の腕をいなすと、さらに身をかがめて膝立ちになった。目の前に、由佳里のデルタ部がある。ビキニラインがきれいに処理された、由佳里の秘部が。舞はちらりと由佳里の顔に視線を走らせると、水着の上から、彼女の秘部に軽く歯を立てた。

「あっ!」

 由佳里の体が前屈みになり、顎が上がった。倒れこんでしまわないように、舞の両肩を支えにしなければならなかった。由佳里の秘部が目の前に近付き、舞は、そこがわずかに湿っているのに気が付いた。手で彼女の内股を撫でつつ、さらに軽く噛み続けた。

「はう、だめ……やめて!」

 叫ぶようにそう言って、由佳里は、力まかせに舞を押しのけた。

「きゃあ!」

 急に強い力で押されたので、舞はたまらず背後に倒れこんだ。幸い膝立ちだったのと、由佳里の力が強過ぎなかったせいで、床に転がるくらいで済んだ。急いで起きあがり、室内を見回すと、由佳里と目が合った。

 彼女は更衣室の壁際で、肩を抱くようにしてうずくまり、舞の方を見ていた。その瞳には、怒りの色と、大粒の涙が浮かんでいた。快感と陶酔は一瞬にして消え失せ、舞はおずおずと口を開いた。

「あ、あの、せんぱい…」

「出て行きなさい」

 ぶるぶると身を震わせながら、由佳里は冷たく言った。

「はやく、ここから出てって!」

 茫然としている舞へ、由佳里は涙ながらに叫び、近くにあったバスタオルを投げつけた。舞はたまらず、逃げるように更衣室を飛び出した。いつしかあふれだした涙をぬぐいながら、彼女はよろよろとトイレに入っていった。個室に入り、鍵をかけると、うずくまって泣いた。

「ごめんなさい、せんぱい…」

 

 ひとしきり泣いて、更衣室に戻ると、そこにはもう誰もいなかった――

 
 
続く
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